傑物の至言-12 パンタ(中村治雄)-頭脳警察

今回の新曲を誰に聴かせたいかというと、かつて世間を騒がせ、国家解体なんて叫んでた奴らになんだ。てめえらいったいなにやってんだい。組織、資本の中であくせく働いて、赤ちょうちんに出掛けて”今の若い奴ら”はなんてクダを巻いている。

   『頭脳警察 1990→1991』

1970-1975 真に「伝説的」バンド頭脳警察のヴォーカル、ギター

 

フランク・ザッパの「WHO ARE the BRAIN POLICE」由来の

バンド名には内田裕也も嫉妬した。

1971/8/14-8/16 日本幻野祭成田市三里塚)出演

 若い人がピンとこないかもしれない。

 成田市三里塚といえば「三里塚闘争」という名で呼ばれていた

現在の成田空港建設反対の運動のまさにその場所のこと。

当初5人編成だったバンドのベーシストとギタリストが喧嘩したから

誰の肩を持つわけにもいかないから公平に3人をクビにして

自伝『歴史からとびだせ』より

しまい、ビクターと契約した時点では

生ギターをPANTA、ボンゴをトシが、という2人編成に。

1971/11/6 慶應大学三田祭前夜祭にてはっぴいえんどのライブの時間を「ステージジャック」=はっぴいえんどに演奏させずに頭脳警察がステージに出て一時間ほど演奏。

 これは、慶応三田祭実行委員会からは頭脳警察、はっぴいえんどの双方にオファーがあったにもかかわらず、仕切った「風都市」(はっぴいえんど側の事務所)が

「今日は頭脳警察がやる時間ないよ」って言うんだよ。カチンときて「あ、そうじゃ帰るわ」って車のところまで戻ったんだけど、

トシが「パンタ、このまま帰るのかよ」って言うわけ。あのおとなしいトシが憤慨してね(笑)

当時は、ミュージシャン同士でも、嫌いな奴に対してははっきり意思表示したからさ。

              自伝『歴史からとびだせ』より

 と言う事情があり、当然の行動だった。

カッケー!

1972/3 『頭脳警察』ファーストアルバム 発売禁止

1972/5 『頭脳警察2』セカンドアルバム 発売後回収

 政治的なことばかり歌って、

学生運動に関わりだした頃、おやじは「CIAも甘かねぇぞ」って言ったことあったね。そう釘刺された。公安じゃなくて、いきなりCIAが出てくるってのがおやじらしいんだけどさ

自伝『歴史からとびだせ』より

CIA、、スケールでか過ぎる。

 バンド解散後、PANTA&HALなどのバンド結成

鈴木慶一プロデュースの『マラッカ』や『クリスタル・ナハト』などサウンドがスケール・アップ、トータル・コンセプトの名曲揃いのない名盤を。

 それでもPANTAにはまとまった生々しさ、荒々しさが似合う。

1990年 頭脳警察再結成

2001年 頭脳警察再々結成

2008年~ 頭脳警察として本格的に現在も精力的にライブ活動中

浜村美智子や青江三奈、石川セリ初め多くのアーティストへの楽曲提供、アイドルのプロデュースも手掛け、俳優もするが、その軸はあまりにもブレない。

パワフル。

対談集や自伝などもとても正直な言葉が溢れ、カッコつけたところが全然ない。

本物の人はカッコつける必要がない。

そのままがカッコいいのだから。

パンタ(中村治雄)-頭脳警察

1950/2/5- 現在69歳 バリバリの現役

ヴォーカリスト、ギタリスト、 作詞家、作曲家、プロデューサー、俳優

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『けだし名言』

ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。

ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。

その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。

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