記者「なんでパンツの中に入れたんですか」
勝「ズボンの中に入れたら落ちちゃうからさ・・・
今後こういうことがあったら
もうパンツは履かないほうがいいね」
(1991年の記者会見にて)
有名人の記者会見史上最高傑作。
1990/1/16 勝新太郎は下着の中にコカイン1.75gと大麻9.75gを隠し持っていたとして、ハワイ・ホノルル空港で逮捕された。
1978年にもアヘン所持で起訴されており、2度目だった。
アメリカからの国外退去を命じられ、罰金1,000ドルを支払い釈放された。
しかし国外退去を不服とし帰国すれば大麻取締法違反で逮捕される為、482日ハワイに居続けた。
その間、日本では勝新太郎が出演したCMが放送禁止、映画「浪人街」(黒木和雄監督)が上映延期となっていた。
★映画「浪人街」は1928年マキノ正博監督作品の4度目のリメイクだった。
奇しくも本作品が勝新太郎の遺作となってしまった。
帰国したのは入院中の兄若山富三郎を見舞いたいという理由だった。
「パンツ」の発言はハワイから帰国し記者会見した時の発言。
記者「酒、タバコをやめたんですよね」
勝「うん、やめた」
と言いながら会見の席上でタバコを吸い続ける。
記者「あれ、タバコ」
勝「やめたよ」
と、吸いながら。
記者「酒はもうやめたんですか」
勝「ビールが旨いんだよ。オレンジジュースみたいな味になっちゃてさ」
場内爆笑。
記者「え、お酒やめたんですよね」
勝「いや、でもオレンジジュースだからさ」
(1996年の記者会見にて)
これは、
1996/11下咽頭がんにかかったと公表した際の会見から
自身が経営する勝プロが倒産した際にも
「もう二度と酒は飲まない」と宣言したがすぐに銀座のクラブに入り浸った。
天才役者にして監督作品も傑作が多いにもかかわらず、スキャンダルや豪快な遊びばかりが脚光を浴びた。
他人(特にマスメディア)は、真の姿を見ることをせず過剰に盛り上げることばかりに熱心だった。
その豪放磊落さを形成した実態は半端なものじゃなかった。
コンプライアンス、ハラスメント、BPO などの論理の範疇に収められない巨人だった。
俳優、監督
1931/11/28-1997/6/21(享年65歳)
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『けだし名言』
ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。
ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。
その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。