私たちが今いるのは、経済が私たちの価値を記述する時代
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アメリカにある刑務所の多くは、民間企業によって運営されています。これらの企業は、自分たちの収益のために、より多くの囚人が必要です。ですから、企業は政府と政治家にものすごい圧力をかけています。定期的に囚人を供給してもらえるようにね。
2016/6/16 「Sonar+D」での特別講演より
(ライター:高橋ミレイ)
頭の中に人何倍も脳みそが詰まっていそうなおでこが印象的なBrian Enoは普通に言えばミュージシャン、プロデューサーというカテゴリーに収まらない。
日本ではほとんどのミュージシャンが経済、政治についてコメントを出すことを避ける。
森羅万象を脳や身体に取り込んで創作するのが藝術家であるところに、経済や政治だけから目を背けていられるはずはない。
作品に責任を持つのと同一地平線で態度、言葉にも責任を持つ。
日本以外のミュージシャンにはその当たり前のことが日本では為されない。
不思議な国である。日本の枠に囚われないアーティストがいきなり諸外国で評価されるのも「日本人のガラパゴス基準」が通用しない証だ。
ROXY MUSICのオリジナル・メンバー。
その後のソロ・アルバム、コラボしたアルバムは全て次元が違う大傑作。
この人の音には必ず目論見があるから通常の「良い、悪い」という基準から判断するわけにはいかない。
『discreet music』はまだAMBIENTという単語を口にしていなかった頃の作品。この静謐さに何時間でも身を委ねていたいスーパー傑作。
(おそらく大半の人は眠い、解らない、と言うだろう)
『Cluster & Eno』もこの路線をより分かりやすく提示した大傑作。
珍しくヴォーカル曲も収録した『Another Green World』もスーパー傑作。
誤解されやすいAMBIENT MUSIC(アンビエント・ミュージック)という一ジャンルを作り、
様々なミュージシャンとコラボレーションし、書ききれないほどのミュージシャン(Robert Fripp、U2、Cold Play・・)からプロデュースを依頼され、
音楽アプリ配信まで行う、巨人。
もう一度書くが、全作品が傑作。
ABBAの音楽の魅力さえあっさり認めてしまう規格外の柔軟性。
Discreet Music (Remastered 2004)
1977年>David Bowieの『HEROES』に参加したBrian EnoとRobert Frippの会話をBowieは「何の話をしているのかさっぱり分からなかった」と回想していた。
視線は我々凡人の何光年も先まで行っている。
ブライアン・イーノ
★こんなに有難い至言に遭遇させて頂きながらも、敬称略で書かせて頂くことをご本人、関係者にお詫び致します。
『けだし名言』
ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。
ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。
その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。
(記*波尾哲)