みんな、ものを考えなさすぎる。上の方からの発想ではなく、もっと下から物事を見て、視野や議論の場を広げなければいけない。海抜ゼロから考える姿勢が必要な時代に来ている」
「未来は暗いですよ。若い人たちを見ていると、知識はあるけど、知恵がない。
(2018/1/4 日刊スポーツ)
僕は最近、よく「5合目からの発想」という言葉を使います。いま富士山を5合目から登るのが常識になっていて、文明が発達すると6合目までエスカレーターがついたり、7合目にヘリポートができたりするかもしれない。
だけど、それは登る選択肢も視野も狭めてしまっているんです。逆に「海抜ゼロ」はそれが無限にある。そこから考え直せば、もっと新しい視野が開けるに違いない。だからベースに戻ろうじゃないか、と僕は考えるんです。
(2019/5/30 取材・文:鈴木毅、/Yahoo!ニュース 特集編集部)
5合目から上が登山と思ってしまう現状、それが便利さによって6合目から7合目から上と楽になり、それが当然、あたり前と感じるようになってしまう。どんどん人間はものを考えなくなり、生きている「前提」がどのような構造により形成されているか、知ろうともしない。
これまで40人ほどの傑物の言葉を紹介してきたが、驚くほど共通して仰っていることは「自分で考えろ」だ。
倉本聰の第一印象はまず目力、眼力の強さ。かっこいい。
身体中にストレートなエネルギーが充満している。
考える、実践することでエネルギーが眼力をさらに強くし、身体中のアドレナリンをハイレベルに保っているに違いない。
80歳を超えているということをまったく感じさせない。
通常の人の何倍も、ものを考え生きてきた人間の力強さが溢れているだけだ。
社会を少しおちょくってやる、という。それはすごく創作意欲をかき立てるし、ヘンな言い方だけれども、人間を若くします。僕の場合で言うと、それがいちばん長生きさせている気がする(笑)。
それは「怒りのパッション」ですね。
(2019/5/30 取材・文:鈴木毅、/Yahoo!ニュース 特集編集部)
自分でものを考えなければ、怒りすら覚えない。テレビの中、ネットの中で「誰かが」怒っている代理で済ませてしまう。感情が萎縮する。ものを考える原点は感情、感覚だ。感情が湧かなければものを考えることすら出来なくなる。
「考えろ、って『何を』『どう』考えればいいんすかね?」
自分で考えろ。
1934/12/31- 現在83歳
脚本家、演出家